一流料理店ノーマ、洗い場担当者が事業パートナーに昇格
ロンドン(CNNMoney) 世界のベストレストランの1店とされる「ノーマ」は2日までに、本拠のデンマーク・コペンハーゲンの店で10年以上にわたって皿などの洗い場を担当してきたアリ・ソンコ氏(62)が事業のパートナーに昇格すると発表した。
同店の共同創業者でシェフ長のレネ・レゼピ氏がインスタグラム上で発表した。同店が今年の12月に再び開店する際に、同店のマネジャー2人と共に事業パートナーとなる。
事業パートナーの資格付与は通常、収益の配分を意味する。同店の広報担当者はソンコ氏の昇格に伴う金銭的な待遇条件の説明は拒んだ。
デンマーク紙「ベリンスケ」によると、レゼピ氏は新たな人事を従業員に発表した際、「ソンコ氏はノーマの拠り所である」と強調。「彼みたいな人物が店内にいることの意味合いを人々が評価出来るとは思えない」とし、「彼はいつも喜色満面である」とたたえた。ソンコ氏はアフリカ西部ガンビアからの移民としての経歴を持つ。
レゼピ氏は米国やスペインの著名レストランで修業した後の2003年にノーマを開店。「世界のベストレストラン」の評価で2010~12年に3年連続で1位に輝き、14年にもトップに選ばれていた。現在、ミシュランガイドで2つ星を得ている。
10年の表彰式ではソンコ氏が入国査証を得られなかったため出席出来ず、ノーマの参加者が同氏の顔を描いたTシャツを着用して列席する逸話も生まれていた。12年の表彰式にはソンコ氏も参加していた。
ノーマは地元の食材を生かした北欧料理が有名。先月にいったん閉店したが、12月には新たな場所で新たなメニューと共に再び開店の予定。