電子機器の機内持ち込み禁止、欧州出発便にも拡大の可能性
ロンドン(CNNMoney) 米議会および国土安全保障省の関係者は11日、ノートパソコンなどの電子機器を旅客機の機内に持ち込むことを禁止する措置について、近いうちに対象を拡大する公算が強まっていることを明らかにした。
国土安全保障省のケリー長官は、議会との間で航空運輸安全問題について協議したという。まだ最終的に方針が決まったわけではないと関係者は強調しているが、欧州の航空各社は、機内持ち込み禁止が欧州から米国への便にも拡大される可能性があると見て、対応を進めている。
米政府は今年3月、中東とアフリカの10空港を出発する便を対象に、スマートフォンよりも大きい電子機器の機内持ち込みを禁止。ノートパソコンなどは預け荷物に入れることを義務付けた。
欧州の運輸当局高官によると、航空業界は米国が機内持ち込み禁止措置を欧州便にも拡大すると予想している。そうなれば「大混乱」に陥ると指摘した。
欧州の大手航空会社幹部は「何かが起こることが予想される。具体的にいつ、何が起きるかははっきりしない」と話している。
電子機器の機内持ち込み禁止を巡っては、中東の航空会社や航空専門家から批判が相次ぎ、合理性に疑問を投げかける声も上がっていた。
米国に入国する海外からの渡航者のうち、欧州からの渡航者は約40%を占め、1日350便以上が運航されている。
現在検討されている禁止措置の具体的な内容は不明。国土安全保障省は11日、航空業界関係者に電子機器の禁止措置について説明した。同省は10日の時点で、規制を検討中と説明していた。