独自動車大手5社、90年代からカルテルか 欧州委が調査
ロンドン(CNNMoney) ドイツの大手自動車メーカーが1990年代以降、車両の開発や部品調達、ディーゼル車の排ガスシステムなど広範に及ぶカルテルを結んでいた疑いがあるとして、欧州委員会が調査していることが23日までに分かった。
独誌シュピーゲルが伝え、欧州の独占禁止当局者が22日に確認した。
欧州連合(EU)の欧州委員会は声明で、同委員会と独当局に入った情報を詳しく調べていると認めた。一方、「現段階でこれ以上憶測するのは時期尚早」とも強調した。
欧州委員会はEU域内での公正な競争を阻害した企業に対し、制裁金を科す権限などを持つ。
シュピーゲルによると、フォルクスワーゲン(VW)と傘下のアウディ、ポルシェや、メルセデス・ベンツの親会社ダイムラー、BMWの幹部ら計数百人が90年代以降、60以上の作業部会を設け、競争の回避を目的に会合を重ねていたことが明らかになった。
同誌は記事の中で、VWが昨年夏に独当局に送った書簡を引用している。VWはこの中で、反競争的な行為があった可能性を認めていたという。
独自動車業界の収益は同国の産業全体の約2割を占め、国内で計80万人が雇用されている。しかし2015年、VWによるディーゼル車の排ガス規制逃れが発覚。同社は巨額の制裁金や和解金の支払いを迫られた。問題はVW以外の大手メーカーに波及し、業界全体が大きな打撃を受けていた。