配車大手の運転手ら、8日に大規模スト計画 米国などの主要都市で
ニューヨーク(CNN Business) 「ウーバー」や「リフト」といった配車サービス大手の運転手らが、米国内にある10以上の大都市で8日にストライキを行う計画であることがわかった。ウーバーは間もなく新規株式公開(IPO)を予定している。
ストは米国の主要都市のほか英国、豪州、南米の一部地域でも行われるとみられる。参加する運転手らはストについて、ウーバーをはじめとする企業にメッセージを伝えることが目的だと説明。生活していけるだけの賃金を支払うことや業務上の安全の確保、料金の規制などを求める方針だという。
米カリフォルニア州のサンディエゴとロサンゼルスでは、運転手らが24時間業務を停止。アトランタの運転手らは、12時間にわたり配車要請に答えるアプリの起動を取りやめる。ニューヨーク市では通勤時間帯の午前7時から9時まで、2時間のストが計画されている。配車サービス企業に対する国際的な一斉ストとしては過去最大級の規模になる見通しだ。
ウーバー、リフトはともに、これらの運転手について、独立した請負業者であって従業員ではないと説明してきた。つまり最低賃金や残業手当、労災補償、失業保険といった従業員を対象とした権利を付与していないということだ。両社によれば運転手らを従業員に区分した場合、事業にとって「悪い影響が出る」という。
米シンクタンクの経済政策研究所が7日に公開した論文によると、車両の経費や保険料などの支出を差し引いたウーバーの運転手の収入は時給換算で9.21ドル(約1013円)。またジョージタウン大学の最近の研究では、2年間にわたり米首都ワシントン近郊でウーバーの運転手40人の労働条件を調査したところ、33%がウーバーでの勤務によって借金を背負うことになったと結論している。
今回のストは複数のドライバー団体や労働団体が合同で行う予定で、参加者の正確な数は不明。一方、配車サービスに従事する運転手の数は昨年末の時点で、ウーバー1社でも全世界で390万人に上る。