米当局、ボーイング機7000機の設計変更を勧告 死亡事故受け
ニューヨーク(CNN Business) 米サウスウエスト航空の旅客機で昨年起きた死亡事故を調査していた米国家運輸安全委員会(NTSB)は19日、事故の再発を防ぐため、約7000機のエンジンを改良するようボーイングに勧告した。
この事故では、サウスウエスト機のファンブレードが破損してエンジンカバーの一部が機体の側面に衝突し、窓ガラスが割れて機内の気圧が急低下した。同機は無事に着陸したが、窓側の座席に座っていた女性乗客が死亡した。
NTSBはボーイングに対し、たとえファンブレードが破損した場合でも、ジェットエンジンカバーが吹き飛ばされて機体に衝突することのないよう、設計の変更を勧告した。「ボーイング737ネクストジェネレーション(NG)」のシリーズ機全てについて、改良の必要があるとしている。
737NGは、世界の航空会社に約6700機が納入されているが、ボーイングは「737MAX」への切り替えを進めており、NGの新規受注は中止している。これから建造され、納入される予定のNGは100機に満たない。
737MAXは、2度の墜落事故が相次いだことを受けて運航が中止されている。737NGの運航は継続されているものの、古い機体で部品の亀裂が見つかるなど、ほかにも安全問題を抱えている。737NGはこの亀裂が原因で数機の運航が中止された。
機体の修理に関しては米連邦航空局(FAA)が最終的な判断を下す予定だが、ボーイングは既に、NTSBの勧告に従ってエンジンの設計見直しに着手していることを明らかにした。この改良が済むまでの間も、ファンブレードを点検すれば、安全な運航は可能だとしている。
NTSBは、ボーイング、サウスウエストのいずれについても責任は追及していない。