ジャーナリスト拘束、中国が最多 世界で250人
ロンドン(CNN Business) 世界各国で職務に関連して身柄を拘束されているジャーナリストは、今月1日の時点で少なくとも計250人に上っていたことが分かった。最も多いのは中国の48人だった。
米ニューヨークに本部を置く非営利組織(NPO)「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」が11日、最新の報告書を発表した。
それによると、拘束されている人数は4年連続で過去最多を記録。今年は中国が2015年以来、初めてトルコを上回ってトップに立ったことが注目される。
中国に続く2位はトルコの47人、3位はサウジアラビアとエジプトの各26人だった。
大半のジャーナリストは反国家活動を理由に拘束されている。また、今年1年間に「虚偽報道」の罪に問われたジャーナリストは30人と、昨年の28人からさらに増えた。
12年に虚偽報道で拘束されたジャーナリストはわずか1人だった。ロシアとシンガポールでは今年新たに、虚偽報道を規制する法律が制定された。
CPJの幹部は、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が引き続き報道機関の締め付けを強めているとの見方を示した。
また、トルコで拘束中のジャーナリストは昨年68人から減少したものの、これは報道の自由が拡大したからではなく、エルドアン大統領による言論弾圧の影響だと述べた。同国には現在、身柄を拘束されてはいないが裁判にかけられているジャーナリストも数十人いるという。
同幹部は、拘束中の人数の98%が地元のジャーナリストだと指摘。ジャーナリストに対する締め付けが強まれば、報道の道を志す者がいなくなる恐れもあると懸念を示した。
さらに市民の知る権利が侵され、汚職のまん延にもつながりかねないと警告した。