英格安航空フライビーが破綻、全便運航停止 「空港行かないで」と呼びかけ
香港(CNN Business) 英国の格安航空会社フライビーが5日に経営破綻(はたん)し、顧客に対して全便を運航停止にすると通告した。資金繰りに窮していた同社に新型コロナウイルスの流行による需要減が追い打ちをかけた。今後破産管財人の管理下に入るとしている。
破綻に伴い、英国内での事業は即刻停止となる。同社は5日朝、ウェブサイト上に掲載した告知の中で「もしフライビーの運航便に搭乗する予定なら、どうか空港には行かないでください。行く場合は別会社による代替便の手配が必須となります」「フライビーは遺憾ながらお客様のための代替便をご用意できる状況にありません。その点をご留意願います」と述べた。
1979年に創業したフライビーは、イングランド南西部のエクセターに拠点を置く。主要路線として英国と欧州を結ぶ便を運航している。
一時期は欧州における民間の地域航空会社として最大の規模を誇り、200以上の路線を運航。年間利用客は800万人に達していた。
英政府は今年1月、経営危機に直面する同社と資金繰りについて協議し、救済策を模索していると発表。経営陣と株主が同社を復活への行程に乗せつつあるとの認識を示していた。
だが、新型コロナウイルスの流行で需要に重大な影響が出て、資金繰りに行き詰まる結果となった。
国際航空運送協会(IATA)は5日、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で継続すれば、航空会社各社は1130億ドル(約12兆円)の収益を失うことになるとの予測を発表した。2週間前の予測では300億ドル程度の減収にとどまるとの見込みだった。
IATA幹部はフライビーの破綻に触れ、各国政府が早急に航空会社の支援に乗り出す必要があると主張。「ほとんど前例のない危機」だとの認識を示し、欧州諸国で航空路線を守るための対策が必要だと語った。