キャセイ航空、大幅損失見込む 香港デモ後に肺炎拡大
香港(CNN Business) 香港を拠点にする大手のキャセイパシフィック航空は11日、昨年は前年比で28%の減益を記録したと発表した。
中国、香港両政府に対する住民の大規模な抗議デモが主因で、昨年下半期の業績低下が同年前半の好調な業況を食いつぶした格好にもなった。
同社は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今年上半期は相当な損失が発生すると想定。パトリック・ヒーリー会長は11日、記者団に「我々が現在直面している試練は前代未聞の規模」との危機感を表明した。
新型肺炎の流行を受けこの2月には運航便数を30%減らし、3、4両月には65%の大幅削減に踏み切った。需要動向を注視し続けているが、5月にはさらなる便数の縮小を決めるとみられている。
同会長によると、手持ちの経営資金を保持するため全ての納品業者や事業提携の相手に支払い延期や割引きを要請。ドナルド・ラーム最高顧客責任者によると、欧州エアバス社に対し年内に予定されていた機材引き渡しの延期も求めている。
キャセイ航空はまた、新型肺炎が原因による需要の大幅な落ち込みを受け計2万7000人の社員全員に3週間の無給休暇の取得も提案。同社によると、これまで社員の80%が受け入れたという。
ヒーリー会長は、資金を確保する最も有効な方途は需要の実情に沿った便数削減と強調した