英国とEUで約6000万人の雇用にリスク 新型コロナ
ロンドン(CNN Business) 新型コロナウイルスの感染拡大によって、英国と欧州連合(EU)で約6000万人の雇用が賃金の引き下げや一時帰休といったリスクにさらされていることがわかった。コンサルティング会社マッキンゼーが報告書を発表した。
報告書によれば、EUの失業率は約6%から11%超へと上昇し、新型コロナウイルスを早期に抑制できない場合には、高水準で高止まりする可能性もあるという。
マッキンゼーの試算によれば、EUと英国の雇用の4件に1件が、勤務時間の削減や賃下げ、一時帰休、解雇といったリスクにさらされている。他人との接触を求められない、会計士や建築家といった職業や、警察などの必要不可欠なサービスに従事している人はリスクが低いという。
約5500万人が、小売店のレジ係や調理師、建設作業員、宿泊施設のスタッフ、役者などのリスクの高い職に就いている。
3カ月たっても新型コロナウイルスの抑制がうまくいかず、夏まで「ソーシャル・ディスタンシング(社会的な距離の保持)」といった措置を強いられた場合、EUの失業率は2021年に11.2%にまで上昇する可能性がある。雇用は2024年まで回復しない公算が大きいという。
マッキンゼーは企業や政府に対して、雇用を守るための取り組みを素早く実施する必要があると訴えている。企業はコストの削減や業務シフトの分離、リモートワークの導入などをする必要がありそうだ。政府は融資保証や減税、労働者の給与の保証といった取り組みを進める必要があるだろう。