米FRB、今後数年にわたりゼロ金利を維持
ニューヨーク(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、米国経済の回復を支えるため、今後数年にわたりゼロ金利を維持する方針を表明した。市場機能を維持するための資産購入も続ける。
短期金利の指標であるフェデラルファンド金利は0~0.25%に据え置く。ゼロ金利を維持する期間については、米連邦公開市場委員会(FOMC)が最大雇用とみる水準まで労働市場が回復し、インフレ率が2%に達して、一時的に2%を上回る軌道に乗るまでとした。
米国では依然として雇用者数が2月の水準を1150万人下回り、先月発表された過去12カ月の消費者物価上昇率も1.3%にとどまる。こうした現状を踏まえると、ゼロ金利解除の条件が整うのはかなり先のことになりそうだ。
失業給付の申請数は減少傾向にあるものの、新型コロナウイルスの流行前と比べるとまだ4倍以上の水準にある。これについてFRBのパウエル議長は記者会見で、「労働市場の改善を示すものだが、最大雇用には程遠い」と指摘した。
FRBの当局者を対象に行われた調査では、金利は2023年末までゼロまたはゼロに近い水準にとどまるとの見通しが示され、6月に行われた前回調査に比べ1年後退した。
FRBが金融政策の方針を示すのは、7月に政策枠組みの変更を発表して以来初めて。変更後の新戦略では、インフレ抑制よりも雇用の最大化を優先する。インフレ目標はこれまでと同様2%だが、インフレ抑制を目的とする利上げは従来ほど迅速には行わない方針。
FRBは市場が機能するように今後数カ月米国債や不動産担保証券の購入を続ける。