大型旅客機A380、半数の運用を中止 カタール航空
(CNN) 中東のカタール航空は17日までに、保有する計10機の世界最大の総2階建て旅客機A380の半数の運用を中止する方針を明らかにした。
同社の首脳が航空業界の会合で述べた。環境面への負荷を考慮したとした。「ガス排出量を考えた場合、現在飛行している航空機の中では最悪の機材」とも述べた。その上で、当分の間は路線に投入しないとし、使っても半数のみになるとした。
同社のA380は昨年の春以降、運航されていなかった。
A380は乗客にとっては人気の機種だが、運航経費は高い難点がある。新型コロナウイルスの感染拡大で航空需要が急減している現在、大型過ぎるとの指摘もある。
製造するエアバス社が同型機の需要予測を見誤った事情もある。最初に納入した2007年時点では計600機の受注を見込んだが、結局は234機に終わった。顧客向けの最後の機材が現在、製造の最終段階にある。
同社は2019年、A380の顧客への引き渡しを21年に停止するとも発表した。
ルフトハンザ、カンタスやブリティッシュ・エアウェイズなど世界の主要航空会社は昨年春のコロナ禍の深刻化に伴い、そろって同型機の就航を中止してもいた。
カタール航空の首脳は一方で、より小型で運航経費も安いエアバス製A350や米ボーイング社のB787など長距離用旅客機の性能を評価。同社が保有するA350型機は計53機となっている。
同航空は世界的な航空会社連合「ワンワールド」の一員。同連合は2050年までに炭素排出量をゼロにする活動を進めている。