イケア親会社、米国で森林取得 絶滅危惧種を開発から保護
(CNN) 家具販売大手のイケアを展開する投資会社インカ・グループが、米ジョージア州南東部の土地と多様な生態系を開発から守るため、森林を買い取ったと発表した。
1月14日の発表によると、同社が購入したのはジョージア州アルタマハ川流域に近い土地約4400ヘクタール。「責任ある森林管理は可能だと真に確信する。我々が所有する土地に対する責任の大部分は、森林を再生し、伐採する以上に植樹することにある」としている。
土地は非営利の環境保護団体から取得した。この森林には、絶滅の恐れがあるダイオウショウマツやアナホリゴファーガメなど、350種以上の植物や野生生物が生息する。
米国は欧州からの移民が到達するまでは、バージニア州南部からフロリダ州、西はテキサス州に至るまでの3600万ヘクタール以上がダイオウショウマツの森林に覆われていた。ジョージア州は州の南半分でダイオウショウマツが中心だった。
しかし米魚類野生生物局によると、今はその森林の4%足らずしか残っていない。開発や農業、火災、さらには樹木農家が成長の早いテーダマツやスラッシュマツなどに切り替えていることが原因とされる。
生まれたばかりのアナホリゴファーガメ/Jessica Radich/Warm Springs National Fish Hatchery
インカ・グループは、材木に支えられた地元の経済は引き続き支援すると述べ、土地の大部分はレクリエーション目的で一般の人が立ち入ることも認める方針。
インカ・グループは2014年以来、米国のほかエストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニアで森林を取得し、世界各国で植樹を行っている。