ファイザー製ワクチン、1回目で感染リスクを7割超低減 英研究
ロンドン(CNN) 英国の公衆衛生庁(PHE)は22日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンを1回接種すると、感染自体のリスクを7割以上低減できるとの研究結果を発表した。
PHEの専門家によると、医療従事者を対象にPCR検査を2週間に1回、ラテラルフロー法と呼ばれる迅速検査を毎週2回、それぞれ症状の有無にかかわらず実施した。
この結果、感染リスクは1回目のワクチン接種から3週間後で72%低下することが分かった。2回目の接種後には85%低下した。この効果は、昨年末に英国で見つかった変異株「B1.1.7」にも及ぶという。
PHEはさらに、症状のある1万2000人あまりを対象に実施された検査の結果も分析。80歳を過ぎた高齢者グループでファイザー製ワクチンが発症を抑える効果は、1回目の接種から4週間後に57%、2回目の接種から1週間後には88%に上った。
80歳過ぎの高齢者がワクチン接種後に感染した場合、入院する率は41%下がり、死亡する率は57%下がるとの初期結果も出た。
PHEによれば、1回の接種で重症化を75%以上抑えることができると考えられる。
22日に記者会見したPHEの専門家は、英国内の入院患者が減っている理由について、ロックダウン(都市封鎖)措置の効果に加え、ワクチン接種が減少ペースを速めている面もあるとの見方を示した。
ただし、感染者が周りの人にうつすリスクをワクチンで抑えることができるかどうかはよく分っていないと指摘。接種を完了した人も、引き続き外出制限のルールを守るべきだと強調した。
英国はワクチンの1回目をできるだけ多くの人に接種し、2回目の時期を12週間後まで遅らせる方針を取っている。ハンコック保健相は研究結果の発表を受け、初回を優先する判断に有力な裏付けが得られたと述べた。