出力増後に大きな音、エンジン火災 米ユナイテッド機事故
(CNN) 米コロラド州デンバー郊外の上空で先月20日、米ユナイテッド航空の旅客機のエンジンが離陸後間もなく炎上、複数の部品が住宅地に落下した事故で、炎上などは操縦士がエンジン出力を上げた際に発生したことが5日わかった。
米国家運輸安全委員会(NTSB)が調査の中間報告として明らかにした。故障した右翼エンジン内のファンブレード(回転羽根)の摩耗度の詳しい調査は2016年が最後だった。
操縦士による出力増の措置はデンバー上空で予想された乱気流を通過する時間を短縮するのが目的だった。同機は当時、指定された高度へ上昇中だった。
事故機のボーイング777―200型旅客機は、デンバー発ハワイ・ホノルル行きの便で、エンジン炎上などを受けデンバー空港に無事に戻っていた。乗客乗員に負傷者はいなかった。地元テレビ局KMGHによると、デンバー空港周辺は乱気流の発生で有名だという。
NTSBによると、回収された操縦室の音声記録装置で操縦士が出力を増加させた直後、大きな音が起きたのが確認された。同じく回収された飛行記録装置の解析によると、右翼エンジンが突然停止し、エンジン火災の警告灯が直後に作動していた。
火災が起きた際、エンジンへの燃料油注入を断ち切るバルブが正常に機能したとし、燃料油が火災をあおった形跡は見られなかったとした。
NTSBによる航空事故調査などは通常、1年もしくはそれ以上の期間を必要とする。今回の中間報告は火災原因などについての結論には一切触れず、米連邦航空局(FAA)や航空会社、エンジン製造企業が講じるべき措置についても言及しなかった。