主要生産地で30年ぶりの霜被害、フランスのワイン産業に打撃
フランスのワイン生産者は、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)に伴う輸出の低迷や観光業の崩壊、航空大手エアバスとボーイングへの補助金拠出をめぐる欧州連合(EU)と米国の争いにまつわる米国の関税の影響で、ただでさえ苦境に陥っている。
霜の被害が特に大きかったのは、異例の暖かさに続いて寒波が到来したことによる。気温が上がったためにブドウは通常よりも成長が早くなり、寒波の影響を受けやすくなった。
CNNの気象専門家によれば、フランスは3月下旬から4月初旬まで記録的な暖かさが続いた後、4月4日のイースター(キリスト教の復活祭)の週末にかけて欧州を覆った寒気の影響で急激に冷え込んだ。
ロワール渓谷のブドウ畑=7日/Guillaume Souvant/AFP/Getty Images
シャンパーニュ地方の気温は26度近くまで上昇した後、1週間足らずの間に氷点下6度前後にまで下がった。
気候変動の影響で植物の生育が早まる現象はフランスのほかにも至る所で発生しており、農作物が寒気による被害を受けやすくなっている。
コロンボ氏はブドウの収穫時期について、「今は9月の第1週に収穫しているが、(20年前は)9月の最終週だった」と話している。