スエズ運河座礁事故、賠償交渉で原則合意　近く出航か

ロンドン（ＣＮＮ Ｂｕｓｉｎｅｓｓ） エジプトのスエズ運河で今年３月発生した大型コンテナ船「エバーギブン」の座礁事故で、同船の所有者や保険事業社を代表する「スタン・マリン」は２３日、スエズ運河庁との賠償金をめぐる交渉で原則合意に達したと発表した。

声明で、署名し得る最終的な合意を出来るだけ早くまとめるため運河庁と折衝しているとした。この段階を終えればコンテナ船の出航のための手続きに取りかかるとした。

合意した賠償額は伝えられていない。交渉は数週間続いていた。

運河庁を代表し交渉委員会の責任者を務めていた弁護士はＣＮＮ Ｂｕｓｉｎｅｓｓに寄せた声明で、スタン・マリン側の声明の内容を確認した。

同船を所有するのは日本の正栄汽船（愛媛県）で、運河庁は事故後に６日間にわたって運河の航路をふさいだなどとして９億米ドルの損害賠償を請求。エジプトの裁判所もこれを受けて船を差し押さえていた。離礁に成功後は運河近くのグレートビター湖に係留され続けている。

湖を離れた場合、次の目的地とされていたオランダのロッテルダム港へ向かうとみられている。

座礁による運河の通航止めで多数の船舶が立ち往生を強いられ、世界的な物資の供給網に悪影響が及んでいた。エバーギブンが運河を離れたとしてもコンテナ船の積載物資を企業などが受け取るまでは数週間要すると予想されている。