ミステリーボックス産業の闇、輸送中に死んだ犬や猫 中国

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広告では「病気の犬はない」などとうたっている/CCTV

広告では「病気の犬はない」などとうたっている/CCTV

大半のミステリーボックスの広告は、中に入っている動物の種類が明記され、高品質のペットであることを保証している。

しかし、ラブホームの動物救助センターが成都で行った、中国の配送業者ZTOエクスプレスの配送トラックに対する抜き打ち調査で明らかになった現実は、それらの広告の内容とは異なっていた。調査員らが発見したのは、テープで密封された小さなプラスチック製の箱に詰め込まれた、純血種ならぬ雑種の子犬や子猫たちだった。

抜き打ち調査を行ったラブホームによると、発見された子犬・子猫の多くは窒息や飢餓ですでに死んでいるか、瀕死の状態だったという。この子犬・子猫たちがどのプラットフォーム上で売られていたかは定かではないが、ラブホームによると、箱に貼られたラベルから、この子犬・子猫たちがミステリーボックス市場向けであったのは間違いないという。

「(ミステリーボックスの)販売会社は、通常、配送中に動物たちが排泄(はいせつ)しないよう、出発の前日に餌や水を与えるのをやめる」とラブホームの創設者チェン・ユンリアン氏は言う。幅がぎりぎり30センチの小さな箱の中に、3匹の子犬が身動きが取れない状態で押し込まれていた。

反発の声広がる

ラブホームがペット入りミステリーボックスをめぐるスキャンダルを暴いて以来、通販サイトで販売されていた多くのペット入りミステリーボックスが取り下げられた。しかし、中には、広告から「ミステリーボックス」という言葉を削除したり、里親探しや動物救助を装ったりするなどして、商品を偽装しようとする業者もいる。

ラブホームによる抜き打ち調査の後、ZTOは同社の「不正行為」について謝罪した。また、動物が入った箱が発見された成都の配送施設を閉鎖する意向を示し、警察の捜査にも協力すると述べた。

しかし、中国国営紙の環球時報によると、成都での抜き打ち調査からわずか1週間後に、江蘇省でミステリーボックス用のペットが入った箱が新たに発見されたという。捜査当局者らは、江蘇省にあるZTOエクスプレスの配送センターで動物が入った13個の箱を発見したが、中の動物の多くはすでに死んでいた。

この件についてZTOは、(抜き打ち調査が行われた)5月5日以降、同社は生きた動物を配送する慣行の是正に着手し、(出荷した)動物たちが返送されてきていたが、江蘇省で発見された動物たちは、同省の配送センター内に放置されていたと釈明した。

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