米6月消費者物価5.4%上昇、13年ぶり高水準 ガソリンや中古車が高騰
ニューヨーク(CNN Business) 米労働統計局が13日に発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.4%上昇し、約13年ぶりの高水準を記録した。前月比でも0.9%上昇と、過去13年間で最大の伸び率となった。
価格変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は前年同月比で4.5%上昇し、過去30年間で最大の上昇率となった。前月比では0.9%の上昇だった。
物価上昇を押し上げた主な要因の一つに、ガソリン価格の大幅上昇がある。昨年は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で車の利用が減り、原油価格が下落した。だが、人々が旅行を再開しエネルギー需要が増加するのに伴い、ガソリン価格は前年同月比で45.1%上昇した。
食品価格は前年同月比2.4%上昇、外食価格は同4.2%上昇した。飲食業界では現在、通常営業の再開に伴い深刻な人手不足に直面している。これにより賃金に上昇圧力がかかり、消費者に価格転嫁される形になった。
CPI全体の上昇の3分の1以上は中古車価格が要因だ。6月の中古車価格は前月比10.5%上昇と、過去約70年間で最大の伸びを記録。前年同月比では45.2%上昇となった。新車価格も同5.3%上昇し、過去最高水準に達した。
長期的な物価上昇が懸念されるものの、インフレは一過性のものと考えられる理由がある。前年比で物価が大幅に上昇しているのは、新型コロナウイルスの影響による景気後退を経て、物価が通常の水準に戻ろうとしている面があるためだ。