イーロン・マスク氏、「WFPが説明ならすぐに株売却」 飢餓問題の解決法めぐり
ロンドン(CNN Business) 米電気自動車(EV)大手テスラなどを率いる世界トップの大富豪、イーロン・マスク氏は、国連世界食糧計画(WFP)のビーズリー事務局長が先日、同氏らを名指しして世界の飢餓問題解決への手助けを求めた発言に対し、WFPが具体的な解決法を説明できるなら、すぐにでもテスラ株を売却して協力すると述べた。
ビーズリー氏は先週放送されたCNNの番組で、マスク氏の純資産の約2%にあたる60億ドル(約6800億円)の資金があれば、飢餓で死にかけている4200万人を救うことができると訴えていた。
マスク氏は31日のツイートで、具体的にどうすれば60億ドルで世界の飢餓問題を解決できるのか、WFPがその場で説明すればすぐに株を売ると表明した。ただし一般市民が使い道を把握できるよう、会計が公開されることが条件だと述べた。
ビーズリー氏はこの投稿へのコメントで、WFPには会計の透明性が確保されているシステムがあると強調。「60億ドルで世界の飢餓が解決されるというわけではない」としたうえで、「地政学的な不安定化や大量の移民発生を防ぐこと、餓死の瀬戸際にある4200万人を救うことはできる」と主張し、新型コロナウイルスの感染拡大と紛争、気候変動がちょうど重なって「未曾有の危機」が起きていると指摘した。
米ブルームバーグの長者番付によると、マスク氏の純資産は1日の時点で世界トップの3110億ドル(約35兆4000億円)。テスラの時価総額は先週、米企業で6社目となる1兆ドル突破を果たした。