「オミクロン株」めぐり株価下落 モデルナCEOが悲観的発言
香港(CNN Business) 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」をめぐり、米モデルナのバンセル最高経営責任者(CEO)がワクチンの効果に悲観的な見方を示したことなどを受けて、アジアや欧米の株価が下落している。
バンセル氏は英紙フィナンシャル・タイムズが30日に報じたインタビューの中で、ワクチンにデルタ株の時と同等の効果は期待できないとの見方を示した。
有効性は目に見えて下がるだろうとしたうえで、「どの程度かは分からない。データを待つ必要がある」と述べた。同氏が話した科学者らは全員、先行きに懸念を示したという。
アジアでは30日、韓国の総合株価指数が2.4%、日経平均株価が1.6%、香港のハンセン指数が1.6%、それぞれ下落した。欧州市場は前日比1%安で取引が始まった。
専門家は背景として、韓国政府が29日に新型コロナ規制の緩和計画を棚上げしたことや、日本で30日にオミクロン株の感染者が初めて確認されたことを指摘した。
米市場は29日にいったん持ち直していたが、反落の兆しがみられる。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は30日に議会の公聴会で、オミクロン株が米経済の回復を脅かすと証言する予定。パンデミック(世界的大流行)が長引けば物価の上昇が続き、雇用拡大が妨げられ、サプライチェーン(供給網)の混乱が悪化するとの見解を示す。
オミクロン株の出現でエネルギー需要が落ち込む事態への警戒感から、原油価格も急落している。