車内で仮眠、予約便は次々に欠航――旅行者を混乱に陥れた突然の渡航制限

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人けのないチェックインカウンター。渡航制限を受けて、各地で立ち往生する旅行者が出てきている/Courtesy Movin Jain

人けのないチェックインカウンター。渡航制限を受けて、各地で立ち往生する旅行者が出てきている/Courtesy Movin Jain

(CNN) 休暇で南アフリカを訪れたミック・スターラさん(73)は、8日間の滞在が暗転し、英国に戻ろうと必死になって、空港ターミナル内のレンタカーの中で寝泊まりする羽目になるとは思ってもみなかった。南アフリカで発見された新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」。世界各国が急遽(きゅうきょ)、渡航制限に踏み切る中で、突如として帰国できなくなった旅行者が足止めされ、帰国の見通しが立たない中で混乱に巻き込まれている。

ミックさんは妻のジャンさん(73)と共に今月21日、英ロンドンのヒースロー空港とヨハネスブルクのO・R・タンボ国際空港を11時間で結ぶ直行便に搭乗して南アフリカに到着。29日に同じ経路で英国に帰国するはずだった。ところがブリティッシュ・エアウェイズは25日、同便の欠航を発表した。

強い感染力をもつ可能性が指摘されるオミクロン株が南アフリカで発見されると、世界各国が新たな渡航制限に踏み切り、パンデミック(世界的大流行)の次の展開に対する懸念が強まった。新型変異株を最初に発見したのは南アフリカの専門家だが、同国で発生したのか、他国から持ち込まれたのかは分かっていない。

南アフリカの保健当局が新たな変異株の発見を発表した数時間後、旅行者は何の予告もなく足止めされる状況に陥った。

新たな変異株は既に十数カ国で見つかっている。ほとんどの症例は、アフリカから戻った旅行者から検出された。

南アフリカを訪れたスターラさん夫妻はクルーガー国立公園近郊のサファリロッジに滞在。ミックさんはCNNに「素晴らしい3日間を過ごした後に、大変な事態になった」と説明した。

夫妻は28日、車で8時間かけてO・R・タンボ国際空港に戻った。新たに予約し直したモーリシャス行きの便に搭乗する予定だった。渡航に必要なPCR検査を済ませた2人は、出発時刻まで空港ターミナル内のレンタカーの中で仮眠を取った。

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