OPECプラス、来年1月の原油増産維持を決定 価格下落局面でも
ロンドン(CNN Business) 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの産油国でつくる「OPECプラス」は2日、来年1月も従来の計画どおり増産すると決定した。原油価格は最近、供給過剰の懸念から急落している。
世界の原油価格は10月後半以降20%以上下落。指標となるブレント原油先物は年初来7割近く上昇した後11月に下落した。
同月には米国や他の主要な石油消費国が、ガソリン価格の抑制やインフレ促進の回避を目的に戦略備蓄を放出した。
欧州では新型コロナウイルスの新規感染者が増大、経済活動の新たな脅威となりうるオミクロン株も出現し、価格の下落が進んでいる。
OPECプラスは声明で、新型コロナの感染状況や原油市場の精査を続け、「必要があれば即座に調整する」準備はできていると述べた。次回会合は1月4日に予定している。
専門家からは、原油価格の下落や新型コロナ流行が及ぼす石油需要への不透明感から、1月に予定していた日量40万バレルの増産を取りやめるとの予測が出ていた。
ブレント原油や米国原油先物は2日、増産維持の発表を受けて下落した。
ただ、米国のドライバーが恩恵を受けるまでには時間がかかりそうだ。米国自動車協会(AAA)によると、原油価格は下落しているものの、ガソリン価格は1ガロン当たり3.38ドルと、過去1カ月の下落幅はわずか2セントにとどまっている。