ロシア、外国からリースの航空機を接収へ プーチン氏が法案署名
ニューヨーク(CNN Business) ロシアが欧米リース会社の保有する商用航空機の接収に動いている。ウクライナ侵攻を受け各国が制裁を科す中、ロシア航空業界の直面する課題が改めて浮き彫りになった形だ。
ロシア大統領府の声明によると、プーチン大統領は14日、制裁への対抗策の一環として、ロシアの航空会社に外国企業からリースされた機材をロシアで登録することを認める法案に署名した。ロシアで登録した航空機には国内の耐空証明が発行されるという。
この法律により、ロシアの航空会社は外国からリースした航空機を手元に置き、国内路線で運航することが可能になる。一方、外国企業はロシア政府の承認なしにリース機を回収するのが困難になる。
欧米による対ロシア制裁では、リース企業に対し、ロシアの航空会社に貸した全ての機材を今月末までに回収するよう求めている。
エアバスやボーイングなどの欧米の航空会社は既に、自社機の整備や安全な運航に必要な予備部品をロシアの航空会社に利用させない措置を取った。航空分析会社シリウムのデータによると、ロシアの航空会社はエアバス機305機、ボーイング機332機を運用する。
ロシアはこのほか、ボンバルディアやエンブラエル、ATRなどの西側メーカーが製造したリージョナルジェット83機も保有する。ロシアの航空会社で運用中の機材のうち、ロシア製は144機にとどまる。
シリウムのデータによると、外国製の機材のうち85%はリース会社が保有しており、その価値は合計124億ドル(約1兆4700億円)に上るという。