上海の経済活動、全面再開へ 依然残るハードル
香港(CNN Business) 2カ月にわたってロックダウン(都市封鎖)が続いていた中国・上海で、6月1日から経済活動の全面的な再開を認めると当局が発表した。ただし一部の制限は依然として残る。
上海市の呉清副市長は29日の記者会見で制限の緩和を発表し、打撃を受けた経済の復興を目的とした50項目の新施策を打ち出した。
6月1日からは、生産・操業再開を許可する「ホワイトリスト」がなくても、従業員は会社に出勤できるようになる。ただし、公共交通機関を利用する際は乗車の72時間前までに受けた新型コロナウイルス検査の陰性証明を提示する必要がある。
上海は3月下旬からロックダウンが続き、数千万人の住民が自宅に閉じ込められた状態の中で不満を募らせていた。
影響はあらゆる企業活動に及んだ。大手自動車メーカーのテスラやフォルクスワーゲンは一時的な製造中止に追い込まれ、アップルのような電子機器メーカーもサプライチェーン(供給網)の混乱を伝えていた。
当局は29日、「不合理な」新型コロナ対策規制を緩和する方針を表明。企業に対する税金の減免措置や賃料補助、建設プロジェクト支援などの計画を明らかにした。
国営新華社通信によると、一部の乗用車については売上税を引き下げ、電気自動車(EV)に買い替える場合は補助金を支給する。上海では4月の1カ月間を通じ、自動車が1台も売れなかった。