ロシアは貿易を中国やインドに振り向け プーチン氏が表明
ロンドン(CNN Business) ロシアのプーチン大統領は22日、西側諸国が経済的関係を断とうとする中、ロシアは貿易をブラジル、インド、中国、南アフリカといった「信頼できる国際パートナー」に振り向けていると語った。
オンライン形式で行われた新興5カ国(BRICS)首脳会議前のビデオ演説でプーチン氏は「貿易の流れと外国との経済接触を信頼できる国際パートナー、主にBRICS諸国へと向けることに積極的に取り組んでいる」と述べた。
BRICSは新興5カ国の非公式なグループで、その名称は参加する各国の国名の頭文字をとったもの。
プーチン氏によると、ロシアとBRICS諸国の貿易は38%増加し、今年は3月までに450億ドル(約6兆1000億円)に達した。
「ロシアの経済界とBRICS諸国の経済界の接触が活発化している。例えば、ロシアにインドのチェーン店をオープンさせ、ロシア市場における中国の自動車、機器、ハードウェアのシェアを拡大する交渉が進められている」とプーチン氏は述べた。
ロシアは中国とインドへの原油輸出も強化しており、中国とインドは原油を大幅割引で買っている。中国のロシアからの原油輸入は5月に過去最多となり、ロシアはサウジアラビアを抜いて中国にとって最大の供給国となった。
プーチン氏はまた「BRICSのパートナーとともに国際決済のための信頼できる代替メカニズムを開発している」と述べ、ドルやユーロなどに依存せずに取引するための新しい方法を見いだそうとしていると主張した。
さらに、西側諸国が自由貿易など「市場経済の基本原則」をないがしろにしていると指摘。「世界的な規模でビジネスの利益を損ない、事実上、すべての国の人々の幸福に悪影響を及ぼしている」と非難した。
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本記事を当初「ロシアは貿易を中国やインドに振り向け プーチン氏がBRICS首脳会議で表明」のタイトルで公開しましたが、表明が行われたのは首脳会議前のビデオ演説だったため、タイトルと本文を訂正しました。