欧州中央銀行、0.5%利上げを決定 インフレ抑制を優先

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欧州中央銀行の本部ビル=2月2日、ドイツ・フランクフルト/Andreas Rentz/Getty Images

欧州中央銀行の本部ビル=2月2日、ドイツ・フランクフルト/Andreas Rentz/Getty Images

(CNN) 欧州中央銀行(ECB)は16日、銀行部門の混乱よりもインフレが経済にとって差し迫った脅威だとして予定通り0.5%の利上げを決めた。

ECBは「理事会は現在の市場の緊張を注意深く監視しており、ユーロ圏の物価と金融の安定を維持するために必要に応じて対応する用意がある」との声明を出した。

また「ユーロ圏の銀行部門は強力な資本と流動性を持っており、強固だ」と指摘しつつ、「必要に応じてユーロ圏の金融システムに流動性の支援を提供し、金融政策の円滑な伝達を保つための手段を万全に用意している」と強調した。

ECBはインフレを抑制しようと昨年7月以来、利上げを行っている。6回連続となる今回の措置で計3.5%の利上げとなり、ユーロを使用する20カ国のベンチマーク金利は3%になる。

ECBは「インフレ率が高い状態は長く続く」と予測している。

一部のアナリストは、市場にさらなるストレスをかけるリスクを緩和するためにECBが利上げ幅を0.25%に縮小すると予想していた。米銀行シリコンバレーバンクの経営破綻(はたん)を受けて銀行部門に対する懸念が米国以外にも広がり、銀行株は15日、大きく売られた。

経営不安が高まっていたスイス金融大手クレディ・スイスの株価は同日、過去最低を記録。その後、スイス国立銀行(中央銀行)から融資を受ける方針を明らかにした。これにより、神経質になっていた投資家は落ち着きを取り戻し、銀行株は16日、上昇した。

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