ハンバーガー宣伝写真、本物と違いすぎ 米で激増するフード訴訟
(CNN) ハンバーガーやタコスといったファストフードの宣伝写真に関する限り、本物が写真通りであることはめったにない。
その現状を変えようと、ファストフード各社が商品を偽って宣伝していると訴える集団代表訴訟が米国で激増している。
ジェームズ・ケリー、アンソニー・ラッソの両弁護士は、タコベル、ウェンディーズ、マクドナルド、バーガーキング、アービーズなどの大手を相手取った訴訟を起こし、本物とは似ても似つかない写真が宣伝に使われていると訴えてきた。
証拠として原告側は、ハンバーガーなどの宣伝写真と本物を並べて比較した写真を提出した。宣伝写真のバーガーは背が高く、肉とチーズが積み重なっていて、黄金色のふっくらしたバンズが載っている。これに対してファストフード店で買った本物の方は、平べったくしぼんだバンズから肉とチーズがかろうじて顔をのぞかせている。タコスも似たりよったりだ。タコベルの宣伝写真の「クランチラップ」はボリュームたっぷりでどっしりして見えるが、本物は平たくほとんど空っぽに見える。この裁判は現在も続いている。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校ロースクールの講師を務めるトミー・トービン弁護士によると、2020年から23年にかけて起こされたフード訴訟の件数は過去最高を記録し、毎年数百件の訴訟が新たに起こされているという。「フード訴訟は法律の急成長分野」だと同氏は言う。
消費者を偽広告から守る活動に力を入れている非営利組織「トゥルース・イン・アドバタイジング」の幹部ボニー・パッテン氏によれば、フード訴訟の急増は主に、ケリー、ラッソの両氏をはじめとする数人の弁護士の取り組みが原動力となっている。
ほかにもニューヨークのスペンサー・シーハン氏のように、フードの表示に照準を絞る弁護士もいる。シーハン氏は、例えばバニラをほとんどまたは一切使っていない商品に「バニラ」という文言を使うなど、食品の包装に記載された誤解を招く表現を問題として、数百件の集団代表訴訟を起こしている。