米ボーイング、従業員の10%を削減へ
ニューヨーク(CNN) 米航空機大手ボーイングのオルトバーグ最高経営責任者(CEO)は11日、従業員に対して全スタッフの10%を「向こう数カ月間で」削減する計画を明らかにした。
オルトバーグ氏は2カ月前にCEOに就任。現在は同社従業員3万3000人によるストライキに対処している。
ボーイングは近年、機体の安全性を巡る深刻なトラブルに相次いで見舞われている。過去5年間で計上した損失は330億ドル(約4兆9000億円)を超える。
オルトバーグ氏は従業員向けのメモで、企業としての構造変革を行って引き続き競争力を確保する必要があると説明。「将来に向けて態勢を整える」ため、厳しい決断を下さなくてはならないと強調した。
削減される人数は明言していないが、年初時点でボーイングが抱える全世界の従業員数は17万1000人。米国内の従業員数は14万7000人となっている。
損失の計上に伴って負債も急増する中、ボーイングの信用格付けは創業以来初めて投資不適格級に引き下げられる恐れがある。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は今週、ストによってボーイングは1カ月当たり10億ドルの損失を被ると試算した。
ストを受け、ボーイングの商用機の生産はほぼ停止中。航空機販売による同社の売り上げの大半は、引き渡しの際に支払われる。