テスラ、米中古車市場で史上最安値 所有者への嫌がらせや破壊行為の増加が一因か
これはインターネット検索に限った問題ではない。自動車購入サイト「カーグルス」は、テスラの中古車価格が中古車の平均価格の倍以上の速さで下落していることを発見した。ステンレス鋼製ピックアップトラックの「サイバートラック」は、テスラ車の中で最も売れ行きが悪く、同車の再販価格は元の価格の58%にとどまる。
テスラ車の売却を望む所有者も買い手を見つけるのに苦労している。まともな価格で売ろうとすればなおさらだ。一部のテスラ所有者は、破壊行為やマスク氏に対する抗議活動が報じられる中、マスク氏に対する個人的な感情も相まって、購入を後悔していると話す。

イーロン・マスク氏(左)とトランプ米大統領=11日、米ワシントンDCのホワイトハウス南庭/Andrew Harnik/Getty Images
トランプ氏は今月、ホワイトハウスでテスラを宣伝。テスラ車を正価で購入すると述べた。ボンディ司法長官はテスラへの攻撃は「国内テロにほかならない」と批判し、ホワイトハウスのレビット報道官は19日、「民主党はイーロン・マスク氏がドナルド・トランプ氏に投票するまでテスラとEVの大いなる支持者だった」と訴えた。
南カリフォルニア大学でマーケティングを専攻するアイク・シルバー助教はCNNに対し、国民の怒りを見てブランドが弱体化していると言うのは簡単かもしれないが、現実はもっと複雑だと指摘する。ある層で支持者を失っている一方で、別の層ではファンを獲得している可能性があるというのだ。
シルバー氏は「同社のブランド力は右派の人々の間では強くなっている」「問題は、右派の新規顧客の数が、怒りを覚え去っていく左派の顧客の数を上回るかどうかだ」と語った。