1日わずか数分でOK、「エクササイズスナック」でがんの発症率や認知症リスクが低減
1日だらだら座ってる? おすすめの運動法
(CNN) 中強度から高強度の運動を毎日少しでも行うか、現在の運動に少しだけ追加することで、認知症のリスクが軽減されることが分かった。JAMDA誌に今月掲載された研究で明らかになった。中強度から高強度の運動をしていなかった人が、最も大きな恩恵を受けたという。
エクササイズ・スポーツ・サイエンシズ・レビューズ誌に2022年1月に掲載された小規模な研究では、15~30秒の「エクササイズスナック」を1日3回行うと、運動していない成人の心肺機能レベルと運動パフォーマンスが向上することが示された。この研究でいう「スナック」は、階段昇降とサイクリングだった。
「エクササイズスナック」とは、30秒から5分または最大10分の活動の繰り返しを指し、階段を上る、歩く、スクワットをする、ダンスをするといったほぼすべての種類の動きが含まれる。この言葉は、当時ハーバード大学メディカルスクールの医学准教授だった心臓専門医ハワード・ハートリー氏が07年に初めて使用したと考えられており、今日では数多くの研究がこうしたミニワークアウトの価値を証明している。
2万2398人を対象とし、23年7月に発表された研究では、運動をしていないと答えた成人が1日わずか3.4~3.6分の高強度の運動を始めたところ、がんの発症率が17~18%減少したことが明らかになった。対象者は毎日1~2分未満の運動を複数回行っていた。JAMAオンコロジー誌に掲載されたこの研究によると、毎日断続的に高強度の運動を4.5分行うことで、がん発症率が31~32%減少したという。
「エクササイズスナック」でがんの発症率や認知症リスクが低減することが分かった/South_agency/E+/Getty Images via CNN Newsource
小さな変化が大きな見返りに
カリフォルニア州パサデナにあるホリスティックヘルス臨床心理学クリニックを運営するスパトラ・トバール氏はエクササイズスナックを好ましいツールとして取り入れている。
同氏は「小さなことから始める行動変化を強く支持している」と語る。
小さな新しい変化を定着させる秘訣(ひけつ)は、毎日同じ時間に行う行動に結び付けることだという。たとえば、起床後すぐに歯を磨くなら、歯磨きを終えたあとすぐに、ジャンピングジャックやランジを数回行うようにする。
ウォーキングは最も簡単なエクササイズスナックの一つだ。近所を散歩したり、リビングルームを1周したりするだけで構わない。毎日少しずつ歩く習慣ができたら、インターバル トレーニングに進むといい。20秒間ペースを上げ、10秒間ペースを落とすといったサイクルを数回繰り返す。
ウォーキングに限らず、たとえば、壁腕立て伏せは腕の筋力を強化し、スクワットは脚の強化に役立つ。息切れせずに階段を上れるようになりたいなら、普段より少し速く階段を上り下りしてみるのもいい。