米当局、フランス人研究者の入国拒否 「トランプ大統領に言及のメッセージ発見」理由に
(CNN) 学会に出席するため米国に入国しようとしたフランス人研究者が、携帯電話の中からドナルド・トランプ大統領について意見を交わしたメッセージが見つかったという理由で、米国への入国を拒否された。フランス政府が20日に明らかにした。
フランスのフィリップ・バティスト高等教育・研究相によると、この研究者は今月9日、テキサス州ヒューストン近郊で開かれた学会に出席するため渡米した。しかし米当局がこの研究者の携帯電話から、「トランプ政権の研究政策に関する個人的な意見を表明した同僚や友人とのやり取り」を発見したことを受けて入国を拒まれ、国外追放された。
高等教育・研究省によれば、入国を拒まれたのは宇宙分野の研究者だった。
バティスト氏は声明の中で、「我々は誇りをもって、言論の自由、研究の自由、学問の自由の価値を守り続ける」と強調。「全てのフランス人研究者が、どこの国にいようと法を尊重しながらそうした価値を保ち続ける権利を守る」とした。
米税関・国境警備局(CBP)はCNNの取材に対し、個別のケースについてはコメントできないとしながらも、米国への入国者は全て「ケースバイケースで検査の対象になる」と説明した。
「検査で電子メディアの中に要注意の内容が見つかった場合、さらなる解析が行われることがある。そうした決定が政治的動機に基づいているという主張に一切の根拠はない」としている。