グリーンランドの氷床から気候変動を読み解く 科学者の挑戦

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レーダー調査に向かう途中、氷が解けてできた巨大な水たまりを発見

レーダー調査に向かう途中、氷が解けてできた巨大な水たまりを発見

チームによれば、今回の観測の目的は2つ。上空からのレーダー観測と、着陸地点での掘削調査だ。レーダー観測では地表から100~200メートル下までの層の様子を把握し、ドリルで掘ることによってさらに正確な情報を得る。

空港を飛び立ったポーラー6はまず、レーダー観測区域へ向かった。上空から見る氷原には丘も谷もなく、雲との見分けがつかない。カナダ人の機長は「この極限状況は飛行を経験しなければ分からない。天候が変わりやすいので、常に注意しなければ」と話す。

ポーラー6には掘削用の重いドリルも積み込まれていた。通常はスノーモービルなどで、目的地まで何日もかけてドリルを運ぶが、空路なら数時間の移動で済む。

掘削作業を指揮するのは、30年の経験を持つAWIの専門家、セップ・キップツール氏だ。採取したサンプルは持ち帰り、何カ月もかけて分析する。だが同氏はその場で近年の気温上昇を示す兆候に気付いた。夏に気温が非常に高くなり、氷がいったん解けた層が際立って増えた。30年前の掘削では、これほど見られなかったという。

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