グリーンランドの氷床から気候変動を読み解く 科学者の挑戦
グリーンランド・カンゲルルスアーク(CNN) 何百年も前から探検家や科学者を魅了してきた北極圏の氷床。島の大部分が北極圏に属するグリーンランドで、CNNはデータを集める科学者チームに同行し、氷の下に眠るなぞに迫った。
グリーンランドを覆う氷の面積は、米テキサス州の2倍以上。氷の層は過去に降り積もった雪が圧縮されてできている。樹木の年輪と同じように、それは気象条件の推移を知る手がかりとなる。10万年以上前の気温や降水量、雲の様子を知ることができ、灰の降った跡があれば火山が噴火したことも分かる。「過去を知れば将来の気候変動もより正しく予測できる」と語るのは、コペンハーゲン大学の気象学者、トレボル・ポップ氏。「グリーンランドはそのプロセスを実際に経験するのに最適の場所」だという。
北極圏研究で最も権威ある組織のひとつ、独アルフレッドウェゲナー極地海洋研究所(AWI)の観測にこのほどCNN取材班の参加が認められ、AWIの最新鋭機「ポーラー6」に同乗した。
ポーラー6は、米軍などが第2次世界大戦中や戦後に使った輸送機「DC3ダコタ」の機体に、新品のエンジンと最新型の装備を搭載したユニークな観測機だ。科学者チームは1週間以上かけてアンテナやコンピューターを積み込み、グリーンランドの玄関口、カンゲルルスアーク空港へ向かった。