ロシア写真家集団、今度は香港の高層ビルで掲示板乗っ取り
ビル登りを始めた経緯については「実に単純。カメラを買った時に屋上へ登ることを思い立ち、写真を撮ってみたら楽しかった。そこで仲間とロシア各地のビルを登り尽くし、さらに国外に挑戦するようになった」と話す。
2009年以降、世界約50カ国で数千カ所のビルなどに登った。「最初は少しだけ怖かったが、もう何ともない。怖いのは高さというより、警察に捕まることだ」という。上海タワーに登った時は、中国のメディアに「20年間の入国禁止処分になる」と報じられたが、結局何事もなく再入国できている。
警備を突破して侵入しなければならないケースもあるが、今回の挑戦ではビル内のドアがすべて開いていて、階段で屋上まで登ることができた。掲示板に映像などを流すのが最大の課題とみていたところ、屋上で制御装置が見つかり、2~3時間の試行錯誤の末に成功したという。
メンバーによると、OTRの絶景ビデオを見た人の約3割は「偽物だ」と思うようだ。香港政府からの許可や補助があったのではないかと疑う人も多いが、「そんなことはない」という。
香港でデモを展開する民主派からは「屋上に黄色い雨傘を掲げることはできないか」という問い合わせがあったが、OTRとしてはビル登りの「スリル」と「楽しさ」以外に関心はない。「『やあ元気かい』というのが唯一のメッセージ」と言い切っている。