アルツハイマー治療に希望? 9割の症状改善 米研究
研究をまとめたUCLAのデール・ブレデセン氏はこの結果について、アルツハイマー病を引き起こすさまざまな要因に同時に対応すれば、初期の進行を食い止められる可能性があるという説が裏付けられたと解説する。
アルツハイマー病には36の要因がかかわっていると同氏は言い、「例えて言えば屋根に36個の穴が空いているようなもの。人によって、例えば運動面に大きな穴が空いていて、ほかの面の穴は小さかったりする」と話す。
現在主流の療法は、多くの要因が重なって引き起こされる症状に対して1カ所にしか焦点を当てていないという点で欠陥があるとも同氏は指摘、「製薬会社は1つの穴に対して非常に優れた対処法を開発する。だが効き目がなかったとしても不思議はない」と語った。
ブレデセン氏の研究に協力した1人、ピーターさん(仮名)は、69歳でこの療法を開始した当時、進行性の記憶障害に悩まされていた。58歳の時に人の顔を認識できなくなったり、本を読んでいる途中でそれまで読んだ内容が思い出せなくなったりする症状に見舞われたという。