サンゴの天敵ミノカサゴ、駆除ロボット開発へ 「ルンバ」応用
別の魚に対してこのロボットが使われることのないよう、ソフトウェアで識別してミノカサゴのみを駆除する仕組みも開発中だという。
バミューダ海洋科学研究所の専門家は、もしロボットが成功すればミノカサゴ駆除の決め手になるかもしれないと語り、「ミノカサゴの密集状態を管理できれば、生物多様性やサンゴ礁の生態系に与える悪影響を抑えられるかもしれない」と期待を寄せる。
米海洋大気局(NOAA)の専門家も、ロボットを使ったミノカサゴ駆除に着目していたと述べ、潜水作業やわななどを使った対策の一環として利用すれば効率が高まると指摘。ミノカサゴを食卓に載せるための市場の創設も重要だと強調した。
外来種の駆除は、人道的な方法で行う限りは倫理問題は生じないとの見方も示している。
駆除ロボットは現在、試作品を使って駆除できる魚の数や必要な電力などを調べる作業が進められている。数年後には実用化され、ミノカサゴ漁に投入される見通し。将来的にはミノカサゴ以外にも環境を破壊する種の駆除に利用する可能性もあるという。