全身麻痺から右手の機能回復、「神経義肢」で脳と筋肉つなぐ
コシェバーさんには「仮想腕」の動作を見せて心の中で反復してもらい、その時の脳の信号をコンピューターで記録。この信号を復元して命令信号に変換し、腕の電極に送り込んだ。
コシェバーさんは頭の中で命令信号を出し、神経義肢を経由して腕に伝達するやり方を学び、自力で手を伸ばして物をつかむことに成功。練習を重ねてコーヒーを飲んだり、自分で食事したりできるようになったという。
アジボエ准教授によれば、重大な副作用はなく、システムの安全性も確認された。コシェバーさんは今後少なくとも5年間は研究への協力を続ける意向だという。
アジボエ准教授は、「麻痺状態だった患者が物に手を伸ばしてつかむ機能を回復し、日常生活の動作ができるようになったのは、私の知る限りでは初めて」と話している。