100歳越えの住民多数、伊サルデーニャ島の長寿の村を訪ねる
社会生活と社会的関係
サルデーニャ島南部にあるカリアリ大学の心理学者、マリア・キアラ・ファスタメ氏によると、イタリア北部の多くの地域とは対照的に、この地域では高齢者を介護施設に入れるのは珍しいという。
高齢者は親戚や隣人が面倒を見ており、家庭は若者と高齢者が毎日触れ合う場になっている、とファスタメ氏は語る。高齢者は負担とは見なされず、むしろさまざまな価値や地元の知識を(若い世代に)伝える貴重な存在と考えられている。
高齢者も村の社会生活に組み込まれ続けることにより、そのコミュニティの中で積極的かつ大切な役割を維持できる、とファスタメ氏は言う。そうすれば高齢者の頭は常に冴えた状態になる。
「身体活動にしろ、文化活動にしろ、多くの活動に参加していれば、それは頭脳がより効率的に働いている証拠だ」(ファンタメ氏)
カリアリ大学心理学科が2017年に行った研究でも、サルデーニャ島のブルーゾーンに住む高齢者は、他地域の高齢者よりも多くの社会活動やレジャー活動に参加していることが分かった。
精神的に健康な人ほど幸福感は高い
ぺス氏によると、サルデーニャ島は住民の健康状態が特別良好であるわけではなく、さらに低所得、風土病で知られているという。それでも住民らが晩年に襲うさまざまな困難に対処してこられたのは、住民同士の緊密な関係のおかげ、とぺス氏は指摘する。