「隔離中は猫の外出させないで」、新型コロナで英獣医師協会が勧告
(CNN) 新型コロナウイルス感染症(COVID―19)のため自己隔離している人や症状のある人は、できれば飼い猫を外に出さないでほしい――。英獣医師協会がそんな勧告を行った。感染者が触れた動物は毛皮にウイルスが付着して、ウイルスを媒介する役割を果たす可能性もあるとしている。
英獣医師協会の声明では、「COVID―19に感染した人や自己隔離している人には、その期間中、可能であれば飼い猫を室内にとどめておくよう勧告する」「テーブルやドアノブのような表面と同様に、猫の毛皮にウイルスが付くこともある」とした。
ただし飼い主にとって最も大切なのは、手を清潔に保つことだと強調。室内にとどめるべきは、外出させなくても問題のない猫に限られると述べ、「ストレスに関連した医学的理由のために、室内にとどめられない猫もいる」と指摘した。
動物にCOVID―19の陽性反応が出た症例は、米ブロンクス動物園のトラを含め、ごく少数のみ確認されている。ただしそうした症例についても、ウイルスが動物から人に感染することを裏付ける証拠はない。
英獣医師協会は、「動物から人にこの疾患がうつるという証拠はない」「ごく少数の症例から判断すると、犬に症状は表れない様子だが、猫には臨床症状が表れることがある」としている。
ただ、感染者が触れた猫が外に出て、他人になでられることでウイルスを媒介する可能性については、専門家の間でも意見が分かれる。
米国の獣医師学会は、「米国内でペットを含む家庭動物が感染源になり得ると考えるべき理由は現時点で存在しない」と述べ、「COVID―19の感染が確認された家庭からペットを引き離す理由はない」と指摘した。