「空飛ぶヘビ」、滑空のメカニズムに迫る うねる動きに秘密
(CNN) 南アジアや東南アジアに生息し、木の上から空中を飛ぶように移動することで知られるパラダイストビヘビ。以前はほとんど知られていなかったこれらのヘビの「飛行」に関して、米バージニア工科大学の科学者チームがこのほど新たな研究論文を発表した。
論文の筆頭著者を務めたアイザック・イートン氏はCNNの取材に答え、トビヘビがどのように滑空するのかを理解しようとしたと語った。
トビヘビは空中にいる間、体をくねらせる動きをする。あらゆるヘビは体をくねらせて地面を移動するが、トビヘビが滑空中にこうした動きをする理由は判然としていなかった。
過去の仮説には、数百万年かけてヘビが身につけた基本的な運動パターンだからというものもあったが、イートン氏らのチームはうねる動きにより滑空が安定し、落下を防ぐ効果が生まれることを突き止めた。その結果、飛行の水平距離も伸びるという。
研究チームの一員、ジェイク・ソチャ氏。ヘビの研究に約20年携わってきたという/Mike Diersing
チームは大学で飼育する複数の生きたヘビを使い、屋内での実験を行った。さらにその結果から、飛行のメカニズムを示すコンピューター・モデルを開発。トビヘビの研究が「大きく前進した」とイートン氏は強調する。
研究の全容はネイチャー・フィジックス誌に掲載された。
次の段階としては、屋外で実際に木々の上から滑空するトビヘビを観察する計画だ。飛び上がる力をどのように発生させ、どうやって空中で方向を変えているのかも調べることにしているという。