公共の場に「コロナ探知犬」配備へ、経済再開に貢献期待 チリ
チリ・サンティアゴ(CNN) 南米チリの警察が、新型コロナウイルス感染者の「臭い」をかぎ分ける探知犬の訓練を行っている。商業施設やスポーツ施設、バスターミナル、空港といった公共施設の再開促進に役立てたい考えだ。
チリ警察によると、いわゆる「生物探知犬」の訓練は9月半ばまでに完了する見通しで、大勢の人が集まる場所に配備を予定している。
「犬は1時間に250人の臭いをかぐことができる。競技場や学校、事業所、レストランなどを再開する際は、そうした場所を平常通りに再開できるよう、生物探知犬の配備が不可欠になる」と警察は説明する。
チリの新型コロナウイルス感染は6月をピークとして徐々に収束に向かいつつあり、19日には経済の復興に向けた5段階の再開計画を発表した。
現時点で探知犬の訓練を受けている犬は4頭のみ。チリ国家警察とチリカトリック大学が共同で、ゴールデンレトリバー犬3頭とラブラドール犬1頭に、新型コロナウイルス感染者の臭いを探知させる訓練を行っている。
選ばれた犬たちは、麻薬や爆弾などの探知犬として長年の実績があり、「単純に新しい臭いの探知を身に着けるだけで済む」と大学教授のフェルナンド・マルドネス氏は説明する。
新型コロナウイルス自体に臭いはないものの、犬は人の汗の臭いで感染者をかぎ分けることができるという。
「新型コロナウイルスに感染した体は、揮発性の有機化合物を発散させる。検体は感染初期の人から採取する。わきの下に15分間ガーゼを置いて、その検体を保管しておき、犬の訓練に利用する」(マルドネス氏)
訓練に要する期間は2週間~2カ月程度。犬は感染の可能性が高い人を探知すると、その人の横に座るよう教えられている。
新型コロナ探知犬の訓練は英国でも行われている。