絶滅危惧のモウコノウマ、40年前のDNAでクローン誕生 米
(CNN) 米カリフォルニア州のサンディエゴ動物園は、絶滅の危機に瀕しているモウコノウマのクローンを誕生させることに初めて成功したと発表した。
サンディエゴ動物園の4日の発表によると、クローンで誕生したのはオスの子馬で、8月6日にテキサス州の施設で家畜馬の代理母が出産した。
米国立動物園によると、モウコノウマは最後の野生馬として知られる。もともと欧州やアジアに生息していたが、開発や環境の変化によって個体数が激減した。
野生の個体は絶滅が宣言され、過去40年は主に動物園で飼育されて生き残ってきた。モンゴルでは群れも見つかっている。
サンディエゴ動物園などと連携してクローン誕生にかかわった野生生物保護団体の代表は、「これで絶滅に瀕した野生種を遺伝的に救うチャンスが広がる」と指摘する。
クローンに使われたDNAは、1980年にサンディエゴ動物園の「冷凍動物園」で凍結保存された。種馬は1975年に英国で生まれて78年に米国に移送され、98年まで生きていた。
「この新しいクローンが成熟して繁殖に成功すれば、モウコノウマに貴重な遺伝的多様性を注入できる」と同動物園は期待する。
誕生した子馬は冷凍動物園の実現に尽力したカート・ベニーシュケ氏にちなんで「カート」と命名された。繁殖できる年齢になった時点でサンディエゴ動物園サファリパークに移される。
同動物園の研究者は、「この子馬がモウコノウマの未来のために、重要な遺伝的多様性をもたらしてくれることを期待する」と話している。