12万年前の足跡見つかる、人類の移動示す最古の証拠か サウジ
(CNN) サウジアラビアで12万年前にさかのぼる数百の足跡が発見されたことがわかった。同地域に人類が移動してきたことを示す最古の証拠の可能性がある。科学誌のサイエンス・アドバンシズに研究結果が発表された。
今回の足跡はサウジアラビアのネフド砂漠で古代の湖の調査を行っている際に発見された。堆積(たいせき)物の浸食によってあらわになっていたという。
376個の足跡が見つかった。中には馬やラクダ、ゾウの足跡も含まれていた。地中海の東側のレバント地方では約40万年前にゾウは絶滅したとみられているため、ゾウの足跡は注目に値するという。
発見されたゾウ(写真左)とラクダ(写真右)の足跡/Stewart et al./EurekAlert!
研究者によれば、さらに驚きなのはヒトのものとみられる足跡も見つかったことだという。もし、確認されれば、アラビア半島にヒトがいたことを示す最古の証拠となる可能性がある。
研究者によれば、今回の足跡は直近の間氷期のころのものとみられるという。間氷期は湿度が高く、砂漠の多い同地域でのヒトや動物の移動が容易だった。
研究者たちはサウジアラビアのネフド砂漠で古代の湖の調査中に足跡を発見した/Palaeodeserts Project/EurekAlert!
化石や考古学的な記録から、そうした気候がアフリカからレバンド地方へのヒトの移動を助けた可能性が示唆されている。
今回の足跡では湖をヒトが訪問したことはわかったが、石器や動物の死骸を使用した形跡がないことから、訪問は短期間にすぎなかった可能性があるという。