外来種の巨大クラゲ出没、ボートや漁網損傷の恐れも 米サウスカロライナ州
(CNN) 米サウスカロライナ州の沿岸部で、ビーチボールほどの大きさがある侵略的外来種のクラゲが目撃された。同州自然資源局は、巨大クラゲが船舶や漁網を損傷させる恐れもあるとして注意を呼びかけている。
目撃者のクリス・コリンズさんがCNNに語ったところによると、同州南部のマレルズインレット沖で10月28日夕刻、自家用ボートでクルージングを楽しんでいたところ、海上から離れた小川にいる巨大クラゲを発見した。
「最初に見た時はウミガメかアカエイだろうと思い、もっとよく見ようと引き返した」とコリンズさん。州自然資源局にこの写真を送った結果、ナンヨウタコクラゲだったことが分かった。
同局によると、ナンヨウタコクラゲは体が大きく、大量発生現象が起きることから、ボートの取水口に詰まったり漁網にかかったりして船舶や漁具を損傷させることもある。
自然資源局はコリンズさんが撮影した写真をフェイスブックに掲載して注意を促した。
米地質調査所(USGS)のデータベースによると、ナンヨウタコクラゲは太平洋西部の熱帯海域に生息するクラゲで、成体は大抵が直径40センチほどの大きさだが、大きいものは直径60センチほどになることもある。
専門家によれば、メキシコ湾北部のミシシッピ川東部にはナンヨウタコクラゲの個体群が定着しているという。サウスカロライナ州の状況は不明だが、過去2週間で目撃情報が6件ほど寄せられており、この地域に生息している個体数はもっと多い可能性もある。
このクラゲには船底などに付着するポリプ期があり、海上輸送を通じて世界中に広がったと思われる。
刺された場合は中程度の痛みを伴うこともあれば気付かないこともあるが、漁網から取り出すのは大変かもしれないと専門家は話している。