新型コロナ感染者、退院から5か月後も7割が回復せず 英研究
(CNN) 新型コロナウイルスによって入院した人のうち7割が退院後5カ月が経過しても完全には回復していないことがわかった。英国の研究で明らかになった。
今回の研究によれば、新型コロナウイルスを乗り切った人でも心身の健康に対する懸念が継続し、5人に1人が新たな不調を経験するという。健康問題が理由で働けなくなったり仕事を変えなければならなかったりした人も同じような割合で見つかった。
症状が長引く可能性が最も高いのは中年の白人女性や、糖尿病やぜんそく、心臓疾患などリスクの高い症状が少なくとも2つある人。
英レスター大学のレイチェル・エバンズ准教授は声明で、新型コロナウイルス感染からの退院5カ月後も、重たい症状や心身の健康状態の問題、臓器障害の証拠があることが示されたと述べた。
人工呼吸器が必要だったり集中治療室(ICU)に入院したりした人は回復にさらに時間がかかることも明らかになったという。エバンズ氏は、さまざまな長引く問題の多くは重たい症状では説明できず、他の根本的な原因があることを示唆しているとも強調した。
今回の研究では、新型コロナウイルスを発症し、2020年3月から11月に退院した1077人を調査した。そのうち67%が白人、36%が女性、50%が少なくとも2つのリスクの高い病状を抱えていた。
5か月後に追跡調査を行ったところ、完全に回復したと感じると答えた人の割合は29%にとどまった。90%以上が少なくとも1つ持続的な症状があったほか、大部分が平均して9つの持続的な症状があった。
最も多かった症状10種は「筋肉痛」「疲労」「肉体の動きの遅れ」「不十分な睡眠の質」「関節の痛みもしくは腫れ」「筋力の低下」「息切れ」「痛み」「短期間の物忘れ」「思考力の低下」だった。今回の研究は査読は行われていない。