氷河の融解速度、過去20年で2倍に 新研究
(CNN) 世界の氷河の融解するスピードが過去20年間で2倍に増加していることが新たな研究で分かった。これまでの予測や計測による値をはるかに上回るペースだという。
ネイチャー誌で発表された研究では、米航空宇宙局(NASA)の衛星を使用して集めたデータセットから、氷河の融解ペースを2000年にまでさかのぼり分析した。
それによると、00年から19年にかけて失われた氷河の総量はおよそ5兆730億トンに上るという。これはエッフェル塔5億5300万個以上に相当する。
また氷河が融解して薄くなるペースを推計すると、00年の年0.36メートルから19年は同0.69メートルへと増加していることが分かった。
こうした結果として、00年以降の海面上昇の推計21%は氷河の融解によるものだと論文の執筆者らは見ている。
氷河の融解が最も急速に進んだのはアラスカ、カナダ西部、米国北西部からなるエリアだった。
世界的な氷河の減少は科学者らにより地球温暖化の最も直接的な結果と考えられているほか、気候変動の主要な指標の一つともみられている。
今回の論文の執筆者らは氷河の融解の原因を研究対象としていないが、氷河の縮小を確認したエリアで降水量や気温の長期的な変化が起きている点には言及した。それは気候変動の特徴と一致する。
氷河の融解のペースを計算することで、海面上昇や水管理に関するより正確な予測が可能になるのを望むと執筆者らは述べた。