絶滅の危機に瀕したスコットランドのカキ、ウイスキー蒸留所が救いの手
さらに、研究によりカキ養殖場は二酸化炭素の吸収源として機能し得ることも分かっている。水柱から二酸化炭素を隔離させ、下方の海底に埋める働きをするという。
DEEPプロジェクトは現在欧州で稼働している19の取り組みの一つであり、かつて完全に破壊されたカキの生息域を再建した最初の事例だ。生物多様性の増進と水質濾過、炭素隔離といった恩恵を組み合わせることで、この種の取り組みは大きな影響をもたらすことが可能だとサンダーソン氏はみている。
「カキ養殖場の復元は、太古の森林をよみがえらせるのと同じくらい意義深い」(サンダーソン氏)
ただプロジェクトが目覚ましい進展を見せているとはいえ、凍える海中に潜ってカキをチェックする前には依然として多少の不安を覚えるとサンダーソン氏は認める。
「毎回潜るたびに、必ずちょっとした不安に襲われる瞬間がある。子どもが生まれる前の父親のような気持ちだ。(中略)それでも毎年笑顔で戻ってくる。カキたちがどんどん大きくなっているから」(サンダーソン氏)