干ばつで干上がったダム、「幽霊村」が出現 スペイン・ポルトガル国境
(CNN) 干ばつが続くスペインとポルトガルの国境地帯で、1992年にダム開発で川底に沈んだ「幽霊村」が再び姿を現す出来事があり、観光客を引きつけている。
干ばつでひび割れた地面を歩く観光客が目にするのは、半壊した屋根やれんが、かつてドアや梁(はり)の一部となっていた木材の残骸だ。
観光客は以前から、乾期に水面から屋根が顔をのぞかせているのを見ることができたが、今年は極端な干ばつにより村全体が姿を現した。
1992年にダム開発で川底に沈んだ建物/Reuters
ポルトガルとスペインがあるイベリア半島では現在、冬の乾燥が観測史上最悪の水準に達した影響で貯水池の水位が低下しており、農家や住民から心配の声が上がっている。
公式記録によると、スペインの1月の降水量は例年の4分の1にとどまった。各地の貯水池の水量は容量の半分を下回る状況だ。
スペイン気象当局の報道官は「最も降水量が多いはずのこの時期に雨が降らなければ、貯水池の水量は回復しない」などと指摘。将来を考えると本当に心配だと話す。
隣国のポルトガルを捉えたドローン(無人機)の映像には、水量が減って乾いた川岸にボートが転がっている様子が映っている。