米国はいかにして間食大国になったのか

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米国が「間食大国」になった歴史的経緯を探った/Daniel Acker/Bloomberg/Getty Images

米国が「間食大国」になった歴史的経緯を探った/Daniel Acker/Bloomberg/Getty Images

ニューヨーク(CNN Business) 大手企業の報告によると、スナック食品の売り上げが急増している。ドリトス、チートス、ラッフルズ、ポップコーナーズ、スマートフード、サンチップスの純売上高は、第2四半期に2桁増加し、さらにパイレーツブーティーの小売売上高は約32%、スキニーポップの売り上げも約17%増えた。

その要因として、スナック食品の価格上昇や、人々が再び外出するようになり、出先で食べられる食品への需要が高まったことなどが挙げられるが、それだけではない。

食習慣が変わり、人々は従来の3度の食事を取る代わりに間食を増やしているのだ。米食品・飲料大手モンデリーズが世界の消費者を対象に実施した間食に関する調査で、十分な食事を1日2~3回取るより、1日を通して少量の食事を複数回取る方がいいと回答した人の割合は、2019年の59%から21年には約64%に増加した。また同調査で約62%の人が、少なくとも1日1食を軽食に置き換えたと回答した。

米国の食習慣は、時代とともに常に変化してきた。産業革命をきっかけに「1日3食」が習慣化したが、20世紀初頭の包装技術の革新がスナック食品を主流に押し上げた。

そして新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)の間に何百万人ものアメリカ人の働き方が大きく変化した結果、新たな間食のカテゴリーが生まれた。これはスナック食品の販売者には朗報だが、我々の健康にはマイナスだ。

米国の間食市場はここ数年で成長しており、さらなる拡大が見込まれている/David Paul Morris/Bloomberg/Getty Images
米国の間食市場はここ数年で成長しており、さらなる拡大が見込まれている/David Paul Morris/Bloomberg/Getty Images

市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、米国のスナック食品市場は17年の約1166億ドルから22年には推定1506億ドルに成長し、さらに27年には1696億ドルに拡大すると見込まれているという。

市場調査会社IRIの執行副社長サリー・ライオンズ・ワイアット氏は、「今や間食は広く浸透している」と述べ、さらに「これは1つのライフスタイルだ」と付け加えた。

しかし、間食がそこまで一般化したのはごく最近のことだ。

「1日3食」から「食べたい時に間食」へ

1日3食は今では当たり前かもしれないが、昔は「標準的ではなかった」と国立米国歴史博物館の食物史家アシュリー・ローズ・ヤング氏は言う。1日3食の習慣が米国に浸透したのは産業革命のおかげだ。当時は工場のスケジュールによって作業員たちの食事のパターンが決まっていた。

ヤング氏によると、当時の作業員らは、まず仕事に行く前に食事をし、昼休みにエネルギーを再補給し、最後に仕事の後の食事を取っていたという。

米国で3度の食事が標準化するにつれ、食事に関する新たな規則が生まれ、それとともに間食に対する考え方も変わった。

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