30年前の凍結受精卵から双子が誕生 保存期間は世界最長か 米オレゴン州
体外受精で使われずに残った受精卵5個が92年4月22日に凍結され、零下200度近い液体窒素のタンクに入っていた。07年までは西海岸の不妊治療クリニックで保管されていたが、両親がテネシー州のNPO、国立受精卵提供センター(NEDC)への寄付を決めたため、そちらへ移されていた。
NEDCは提供を受ける側について、結婚してから3年以上続いている遺伝的男女のカップルであることを条件としている。提供された受精卵で誕生した赤ちゃんは1260人を超える。
リッジウエー夫妻は当時「一番長く待たされている受精卵」を希望し、あとは運を天に任せたという。
受精卵は2月28日に解凍されたが、5個のうち2個は使えなかった。受精卵が解凍後も生き残る確率は80%前後とされる。
担当医は残る受精卵3個のうち、2個だけをレイチェルさんの子宮に移植するよう勧めたが、レイチェルさんの強い希望により、3月2日に3個すべてが移植された。凍結保存後に移植した受精卵から赤ちゃんが無事生まれる確率は25~40%とされ、この時に成功した2個から成長したのがリディアちゃん、ティモシーちゃんだった。
専門家らによると、凍結中の受精卵では生物学的なプロセスがほぼ停止しているため、凍結期間の長さが子どもの健康状態に影響することはないと考えられる。
出生時の体重はリディアちゃんが約2600グラム、ティモシーちゃんが約2900グラムだった。十分な発育で無事誕生にこぎ着けたのは神様のおかげだと、レイチェルさんは話している。